母性本能が欠落していると思っていたけど、そうじゃないかも


Is that your baby? (Little Girl Loves Her Kitten ...

 

自分は母性本能が欠落している、と思っていたけど、実はそうじゃないかもしれないと思ったことについて。*1

 

この動画をみて、自分は全く可愛いと思えず(コメント欄は肯定的な意見が多いけど)、むしろいらいらしてしまった。落ち着いて、何にいらいらしたのか考えてみると、泣けばいいと思ってるところ、だとわかった。猫が自分の手元から離れたら泣く。戻ればやむ。泣けばなんでも自分の思い通りになると思ってるところにいらいらしたんです。

 

いや正確には、子供(乳児というのか?いくつか不明だけど)だから、言葉が話せないし、「泣けばいい」と思っているというか、「泣く」ことしか彼らのコミュニケーション手段はないわけだけど。それはよく理解しているし、自分も同じ時期を経験しているはずだから、こういうことをしてしまう子供(むしろこういうことをしない子供の方が少ないんではないかと)を嫌ったりはしないけど。そこを差し引いて考えて、「しょうがないよね」と思えることはあっても、瞬発的には、いらいらしてしまうのが事実。

 

そこで、最初の一文にたどり着く。自分はこれまでこういう(我の主張を泣くわめく叫ぶ等の手段でなんとか達成しようとしている)子供たちを見て、いらいらすることが多くて、大人になったら可愛いと思えるようになんのかな、と思ってたけど29になった今でも同じ感情なのでそれは変わらず、「あたしってやっぱり母性本能ないのね、子供も欲しいと思ったことないしね」なんて思ってたけど。違う。別に子供じゃなくても、「自分の主張を論理的なプロセスを経ずに主張する」という行為そのものに対して、いらいらしていたんだ、と気づいたのです。論理的なプロセスを経ない主張は大体ノイジーになりがちなので、物理的な(聴覚的な)ストレスも相まって、だと思いますが。

 

これは、先日書いた、いじめっ子についての記事でも取り上げたけど、アドラーの考え方を知って気づきました。怒りはコミュニケーションツールだと。やたらと怒りや権力で物事を進めよう、人を動かそうとする人間は、そういう経験に味をしめてしまって、他の方法を知らないんだと。怒りを表せば相手は動く。そうやって経験・学習してきた結果、条件反射的に怒るという。パブロフの犬ですね。

 

そして自分は更に、相手の「わかってやってる感」が透けて見えることが、特にいらいらするんだということに、今書いてて気づきました。多分この動画の子は、ある程度、「泣く→自分の思い通りになる」という経験を積んだことがあるのだと思う。だから、一瞬だけ「泣き真似」を見せる(まじで一瞬)。泣けば思い通りになる、と「わかってやってる」。←これが一番無理なんですねー。

 

自分で動けない赤ちゃんが、うんちしたーとか、眠いーとか、お腹すいたーとかって泣くのは、なんというかきっと生きるのに必死で、「泣いたら変えてくれるし、泣こ♪」とかそんな軽いものではなくて(というかそこまで理解してない)、本当に快/不快で泣いているんだと思うのだけど(子育てしたころないもんでわからないけど)、動画の子やその他私が現場に居合わせた子供たちの場合は、少なからず「泣いたら思い通りに動くし、泣こ♪」と思って(もちろん無意識だとは思うが)泣いてるんだと思う。

 

そして、ではなぜ1)自分の主張を論理的なプロセスを経ずに主張することと、2)わかってやってる感が透けて見えることに対して、いらいらするのかということを考えると、多分こんな感じ。

 

・論理的でないことが苦手 ←いや自分も論理ないこと多いですが

・思考や伝えることに手を抜いてる感じが苦手 ←いや方法がわからなかったり能力が届いてないってことが多いと思うけど

・ずるい感じが苦手

 

ってことで、結局自分の主義(理想)と反するってだけなんですが。これが、大人子供関係なく、発動してしまうんですねー。もちろん、相手の年齢から考えて、一般的にこれくらいできてて欲しいっていうところから差し引いて考えてますが。

 

仮に自分がこの女の子の母親だったら、「なぜあなたはこの猫しゃんを抱いていたいの?猫しゃんにも自由でいる権利はあるんだよ?」「私が納得するように説明してみて?」と聞きたい。仮に自分に子供がいて、あれが欲しい~!とかってだだこねたら「なぜあなたはこれが欲しいと思うの?」「お母さんが納得するように説明してみて?納得できたら快く買ってあげる」と言いたい。もちろん話せるレベルには合わせるけど、そういうスタンスで対応したい。それは大人であっても同じように対応してる、と思う。上司からわーって色々仕事が降ってきても、わからないものは「それ必要ですか?」って確認している。

 

ある意味、個人を尊重している・・・のかな。しているんですとも。

 

そんなわたしは、結構前に、狩野みきさんについて書かれた記事をみて、いいなーって思ったのです。

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*1:ここで言う母性本能とは、生物学的なものではなく、通俗的な意味です。