『東京タラレバ娘』を読んだ感想と選択について

※ネタバレ(っていうの?感想とか普段書かないからわからない)あるのでご注意下さい※

以前、敬愛するズイショ氏が東京タラレバ娘の感想書いてて、いつだったなかーと思って探したら7月で随分前でびびりました。

zuisho.hatenadiary.jp

その時から本作は知っていたけど全然読んでなくて、なんならサトラレの方に興味惹かれてたくらいだったけど(読んでないけど。怖いの苦手)、少し前に電子書籍で4巻が発売されてた勢いで読んでみました。(最近漫画も本ももっぱら電子書籍派です)

概要はズイショさんの記事から引用させて頂きます。

この漫画は、なんか33歳とかの未婚の恋人もいない女性3人が、「はよせな」って思って何かしら奮闘するような漫画

 

東村アキコさんのセンスが好き

本筋の内容云々ていうより、所々はさんでくるギャグのコマが面白すぎて声出て笑った。高橋留美子先生が神と思っている私としては「ちゅどーん」て擬音語はなんていうか、こう、、胸にぐっとくるものがあるんですよね!朝まで生ビール、タラ総一朗には笑ったよ。。

東村アキコさんの漫画は他にもちょいちょいしか読んでないけど、随所に何重にもかぶせてくる感じのギャグは大好きです。うっとおしいと思う時もあるけど。

活字多すぎ

ただね、文章量が多すぎて読むの大変。ナウシカ原作よりはましですが、画で話を進めるほわほわ少女漫画に慣れてる私としては結構疲れました。1ページの中にたくさん活字がある、、って思ってページめくるたびになえてしまった。

内容について

改めて、ズイショさんの内容を読んでみたらさすが鋭いこと言うなー表現うまいなーと思ってほんと脱帽しました。帽子はあまり被らないけど。

で、個人的には独白?モノローグ?多い漫画大歓迎なんですが、そもそも人生において「たら」「れば」という思考自体が好きじゃなくて、だって何も生み出さないじゃない。

もちろん転職支援の仕事をしているもんで、相手の要望を確認する時とか仕事上必要な話ではあるなと思う(「もし給与が○○円だったらここにしますか?」とか聞くと転職者の希望が確認しやすい等)。それに、色んなアイデアを出す時にも使える思考だとは思う(「ここがこうだったらいいのになー」みたいな)。

だけど例えば自分が過去選択してきたことや、自分を取り巻く現状に対して「あの時ああしていれば」「あの人がこうだったら」みたいに思うことって全く建設的でない、そう思うならそうなるように動けや!って思ってしまうので漫画の中の彼女たちには全く共感もしないし、むしろストレスすら感じます。

それからズイショさんが指摘していた、仲間がいると辛いっていうのは鋭い指摘だなぁと。せっかく語学留学いっても日本人同士で集まっちゃってあんまり上達しないみたいな感じも似てる。同じ境遇の仲間同士は傷のなめ合いができて心地よいのだけど、本当の意味でそこから抜け出す手助けはしてくれないのでしょうね。

でも共感した場面もいくつかあって(基本的に女3人での会話・掛け合いはみててすっごい楽しいし羨ましい。笑)、4巻で倫子さんが映画男との価値観のズレに気づいて「わかっちゃいるけど耐えられない」ってなるところ、すごく共感したぁぁぁぁぁぁ。そこで妥協ができないから、私は結婚ができないのだ、ってそうだよわかる!ミーもトゥーだよ!(だからもう結婚とか求めんなよって思ったけども)

その後、KEY君が倫子さんにはっぱをかけて、仕事への情熱を取り戻したわけですけど、その事を「仕事に逃げる」とKEY君が言いまして。一瞬むかつくなこいつと思ったんだけど、それは確かにそうだな、と。

別に結婚しないで仕事をバリバリやってる女性がいても現代では何らおかしくないわけですけど、その心の持ち方が問題というか。これ別に女性に限らず、また結婚/仕事に限らずですけども、「(本当は希望があったけれどもそれが叶わなかったので)仕方なくそれをする」というスタンスは、個人的にはあまりよくないなぁと感じます。転職だって逃げの姿勢では結局どこに行っても同じだと思うし。とはいえ緊急避難が大事な時もあるし、まぁケースバイケースでしょうか。

選択について

元々自分は過去にした選択はどうしようもないって思うたちだけど、1度だけものすごく後悔したことがあって、大学生の頃に自分から別れてしまった彼がいて、その後3~4年も引きずっていたことがあります。あの時はすごく苦しくて、なんでこうなってしまったんだろうと毎日のように後悔していた(と思う、多分)。

そして3~4年経った頃に読んだ下記の本で、かなり救われたのでその箇所を引用します。世のタラレバ娘たちにも、前を向いて進んでいってほしいものです。

『やってしまって、良かったと思え』

昔のことを思い出すたびに、後悔することがある。

あのときは判断を間違えた。

あのときは失敗した。

あのときはなかなか正しい判断をした。

人生とは、実に判断の連続である。

判断は人生そのものだと言ってもいいかもしれない。

実用的なクルマを選ぶのか、スポーツカーを選ぶのか。

大学に行くべきか、それとも就職しようか。

ワインにするか、ビールにするか。もしくは水にしておくか。

どれを選んだって同じ。得も損もない。

あなたが選んだものは、どれもあなたが「唯一選べたもの」だから。

そうじゃなければ、違う決定をしているはずなんだ。

私たちはすべて、選べるものだけを選んでいる。

どこに後悔する余地があるっていうんだ?

あなたは、あなたがしてきた選択によって、

いまここに存在する人間なんだから。

 

PLAY・JOB (プレイ・ジョブ) (Sanctuary books)

PLAY・JOB (プレイ・ジョブ) (Sanctuary books)

 

 

編集後記

っていうことを色々考えてたんですが、改めて、漫画とか本とか物語を分析して感想を書いたりしてる人ってほんとすげーなと感じました。少し前に賑わっていた、ワンピースの作者のジェンダー論がどうたらとかね。

自分は漫画を、色々な感情を追体験させてもらう手段としてみていて、あまりその設定とか背景とか、ジャンルを横断して分析とかっていう視点では考えていない(というかそこまで深く考えてない)のだなぁと。まぁ別にそれはそれでいいのです。

 

さて2015年もあっっっっっという間に終わりですが、今年もたくさん変化のあった年でした。来年からもっともっと変化していくぞー常に変化だぞーと誓いつつ、これから実家に一瞬だけ帰ります。